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チャイルド・マルトリートメント(不適切な養育)という概念

チャイルド・マルトリートメント(不適切な養育)という概念が提唱されています。maltreatment(マルトリートメント)とは、mal(悪い)とtreatment(扱い)が組み合わさった単語で、前述のとおり、「不適切な養育」と訳されます。「虐待」とほぼ同義だが、子どもの健全な成長・発達を阻む行為をすべて含んだ呼称で、大人の側に加害の意図があるか否かにかかわらず、また子どもに目立った傷や疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、すべて「マルトリートメント」とみなすそうです。

5歳児の脳を損傷させた「DV夫婦」の末路
トラウマを抱えた子どもの守り方
(PRESIDENT Online)

この文章にある通り「毒親」や「機能不全家族」よりも広い括りで、日常生活の何気ない行為についてもフォローしています。確かに、「毒親」というほどではないけれども、「その態度は親としてマズいんじゃない?」といった局面は多いでしょう。「マルトリートメント」が広く理解されれば、そうした点を指摘しやすくなるかもしれません。

友田明美氏は「成長過程にある子どもの脳はレジリエンス(回復力)をもっている」と述べていますが、それは子供に限った話ではないと私は思います。大人になってからでも脳には「レジリエンス」があり、その力を発揮させるためにエンパワメントが欠かせないのでしょう。

 
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2017-11-21 : 情緒的虐待/身体的虐待/性的虐待 : コメント : 6 :
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Re: BPDの脳科学理論モデル
saiさん、こんばんは。

いつも情報ありがとうございます。脳梁に関しては、一理あるとは思っています。ある程度説得力のある考え方だと考えられるのですが、情動や理性について具体的な神経細胞を見ることができないので、総体的な事象としての根拠だと受け止めるしかありません。

一方、DIDの方が内部の構造や人格の有り様を語る場合に、意識、無意識、情動を三階層程度の深さとして表す場合が多いようです。この階層は脳の構造という意味ではなく、あくまでも理屈としての階層です。このあたりが脳梁と具体的に結び付けられると、より一層、傷付いた脳の領域を明確にできるかもしれません。
2017-12-14 23:13 : 清水賢一 URL : 編集
BPDの脳科学理論モデル
清水さん、おはようございます。

マーティン・タイチャー博士のBPOについての脳科学的理論モデルは以下の通りです。清水さんの実体験と照らし合わせて見てください。

「子供の時に激しい虐待を受けると脳の一部がうまく発達できなくなってしまう」大人なってからも続く精神的なトラブルはこれが原因と考えられます。一連の研究による結果から、私は境界性人格障害が出現するメカニズムに関して興味深いモデルをつくりました。今日、境界性人格障害の患者では脳梁が小さく、左右の大脳半球の統合がうまくいきません。このため左優位から右優位の状態に突然に移りやすいのではないかと考えました。左右の優位性が変わると同時に、全く異なる情動や記憶が生じます。友人や家族、仲間たちに非常に親しげに接したかと思えば、手のひらを返したように反抗的な態度をとることがあります。優位半球の突然の入れ代わりが、この特徴を生み出すのだろうと考えました。その上、大脳辺縁系の電気的興奮は攻撃や激怒、不安などももたらしてしてしまうと考えられます。側頭葉の脳電図異常は自殺行動や自傷行為を起こしがちな人によく見られる現象であることもそれを説明するのに十分でしょう。本書の中で友田医師も書いているように、子供時代における虐待は脳の正常な発達を変化させ、取り返しのつかない傷となりかねません。将来の社会は自分たちが育てた子供によって報いを受ける可能性があります。つまり極端なストレスが様々な反社会的行動を起こすように脳を変えていくと考えられます。しかしながら、これは被虐待経験者本人にとっては悲しい”適用”だと考えたほうがよいでしょう。ですから、虐待を予防するには、虐待そのものを防ぐことおよび虐待の連鎖を絶つことが必要となるでしょう。

以上です。なにかの参考になれば幸いです。
2017-12-12 06:43 : sai URL : 編集
Re: No title
saiさん、コメントありがとうございます。

「身体はトラウマを記憶する」を読んでいると、「ああ、そうだったのか」と論理的なバックボーンに頷いたり、「そうそう、その通りだよ」と同意したりの連続です。

おそらく、若いコルク博士は最初からスタンスが他の医師とは異なったのでしょう。ベトナム戦争に疑問を持った人々と同様に、それまでの権威とされる人々の学説に疑問を持った、というか感じる能力があったのだと思います。

特に、脳や心を身体と切り離しがちな精神医療に対して、脳と身体は連携し合っているという見解は全ての医療関係者が学ぶべきでしょうね。ちょっと忙しいので読み進んでいないのですが、完読したら何らかの記事をアップします。
2017-12-07 23:15 : 清水賢一 URL : 編集
No title
清水さん、こんばんは

奥さまのその後の状況や関わられたお子様のことまで明かしていただいて恐縮です。

私が解離という概念に出会ったのは「心的外傷と回復」を読んだ時だったと記憶しています。頭では分かっても実感としては理解できませんでしたが。

その後「身体はトラウマを記憶する」で心当たりがあるのに気づきました。P.552にこうあります。

「これは解離、つまり体の外に出て自分自身を消し去るのとは逆の状態だ。受動的な娯楽を提供するテレビの前に横たわってソファに沈み込んでいる、抑うつ状態の逆でもある」

このような抑うつ体験なら何度かあります。
これが「解離」だとはコルク博士の著書を読むまで実感できませんでした。

余談ですが、コルク博士の名を知ったのも「心的外傷と回復」からでした。

清水さんの認知療法に対する不信感についてもコルク博士はズバリと指摘しています。P.362にこうあります。

「認知行動療法は、クモに対するような不合理な恐れについては有効であるものの、トラウマを負った人、とりわけ児童虐待を受けたことのある人にはあまり成果を挙げていない」

清水さんは博士がジュディス・ハーマンと共同研究をしたエピソードに興味を持たれると思います。

P.229からその概要が書かれています。1985年にそれは行われました。詳細はコルク博士の著書に譲りますが、両者がいかに慎重にトラウマ歴を聴取していったかが鮮やかに描かれています。ここを読むだけで、「最初から性的虐待を受けていたと決めつけた」などの誹謗中傷がいかにナンセンスか分かろうというものです。

友達明美さんの著書にタイチャー博士が前書きを書いているのですが、そこで博士はB.P.Dに関する脳科学の理論モデルを提供しています。1ページにわたるので引用はできません。またの機会にしたいと思いますが、「脳梁が小さく、左右の脳半球の統合がうまくいかない」と考えられるそうです。
2017-12-03 17:53 : sai URL : 編集
Re: No title
saiさん、こんばんは

> 先日は失礼しました。

どんでもありません。ご指摘感謝しています。

友田明美教授の『子どもの脳を傷つける親たち』を拝読しましたが、その通りだと思いました。実は、面前DV(暴力のない衝突)で幼児(4歳頃)が心的外傷を受けている状況を私は確認しています。乳児期から私が頻繁に世話している子です。

現在は、その子の両親が安定してきたので、成長したその子の悲しんでいる様子は見られませんし、おそらく後遺症もないだろうと予想していますが。精神医療というよりも養育という側面で捉える医師やカウンセラーがもっと増えるよう期待しています。

それから、記事のご紹介ありがとうございました。「つらい体験に打ち克つよう患者を支えれば,治せる傷ととらえられてきた」という一文が、私が認知療法に感じる違和感を説明している気がしました。

現在、教えていただいた「身体はトラウマを記録する」を読んでいます。まだ、全体の20パーセント程度しか読み進めていませんが、ほぼ全ての内容が私の体験と考えに一致しています。大著ですので完読にはもう少し時間がかかりそうですが、アマゾンのカスタマーレビュー13全て五つ星に頷けます。
2017-11-28 22:04 : 清水賢一 URL : 編集
No title
清水さん、こんばんは

先日は失礼しました。
友田明美さんの記事を書いていただいてありがとうございます。リンク先の記事はさっそくFacebookでシェアしました。

お時間のあるときに以下の記事をご覧下さい。

日経サイエンス  2002年6月号
児童虐待が脳に残す傷
M. H. タイチャー(ハーバード大学医学部)
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0206/abuse.html

ちなみにタイチャー博士は友田女史がアメリカに留学した時の指導教官です。

タイチャー博士の論文は2002年に発表されました。それからもう15年経ちます。過誤記憶なる概念にしがみつくマルトリートメント否定派は15年前に客観的に論破されています。
2017-11-27 22:23 : sai URL : 編集
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

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