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「声優のアイコ」こと神いっき被告に懲役10年の判決

「声優のアイコ」を名乗り、4件の昏睡強盗罪などに問われた神いっき被告に、東京地裁で懲役10年の判決が下されました。石井俊和裁判長は「被害総額は計275万円と高額な上、常習的で計画的な犯行だ」「友人とのインターネット上のメッセージのやりとりには、犯行時と犯行以前で一貫性がある」「別人格による行動として説明するのは困難だ」などと指摘して、完全責任能力を認定しています。つまり、素人同然の精神科医、解離性同一性障害(DID)である人物に会ったこともない岡田幸之氏の鑑定結果を採用しました。

「声優のアイコ」に懲役10年 「多重人格で無罪」主張退ける 東京地裁(産経ニュース)

私の主観ですが、石井俊和裁判長は安易な判決に逃げてしまいました。DIDだと認定すると責任能力がないと判断せざるを得なくなり、無罪にしなければならなくなるのでしょうか。しかし、その前に責任能力とは誰の責任能力なのか明確にすべきでした。主人格の責任能力なのか生物の固体としての責任能力なのか。そこが曖昧では、判決において最も重視されるはずの合理性が欠如したままです。

私は、写真家のインベカヲリ★氏が何回か「新潮45」に掲載した記事を読みましたが、神いっき被告には典型的な解離性同一性障害の症状が見られます。私の経験と同等の出来事が起きており、インベカヲリ★氏も子供人格と会話したそうです。インベカヲリ★氏が拙著を読んで参考としたかどうかは不明ですが、DIDに関する適切な理解がコミュニケーションを成立させたのでしょう。神いっき被告がDIDであることは疑いようがないし、DIDだという詐病は不可能です。だから、DIDだと認定した上で有罪か無罪か判断すべきでした。

犯人は別人格か?「声優のアイコ」事件、判決迫る! 幼児人格「ゲンキ」の手紙を一挙公開(デイリー新潮)

今回の事件は、神いっき被告が加害者です。しかし、この世に生を受けて以来、想像を絶する被害を受け続けなければDIDにはなりません。「多重人格」は状況の一面に過ぎず、本質は心的外傷のフルスペックです。自傷、嗜癖、希死念虜、性ホルモン異常、過呼吸といった心身の様々な症状を抱えた被害者がDIDなのです。そうした理解に到達しなければ、この事件はただの見せ物で終わってしまいます。

最近では、神いっき被告はゲンキ君と意思疎通できるようになり、それ以外の人格の存在についても把握できるようになったようです。ということは、今後少しずつ記憶が回復する、人格同士の記憶が繋がる可能性もあります。「新潮45」の記事には幼少期の虐待が描かれていました。もし、DIDの主な原因である近親姦被害について記憶を取り戻したならば、よりいっそう精神状態は悪化するでしょう。支援者が今後の回復にも手を差し伸べるよう願っています。

 
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2017-04-30 : 解離性同一性障害/解離性同一症/多重人格(DID) : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

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