日弁連の死刑制度廃止宣言は採択されるか?

今日、日本弁護士連合会は「人権擁護大会」で死刑制度の廃止宣言を提案する予定です。日弁連はこれまでも死刑が執行された際に抗議声明を出しており、大会参加者の過半数が賛成すれば採択されるそうです。死刑制度の廃止とともに仮釈放のない終身刑の導入を想定しています。一方で、犯罪被害者の支援に取り組む弁護士らでつくる「犯罪被害者支援弁護士フォーラム」は、「犯罪被害者の人権や尊厳に配慮がない」として採択に反対する声明を発表しています。

日弁連、死刑廃止宣言を提案へ 7日の大会で(日本経済新聞)

日弁連の死刑廃止宣言案に反対 被害者支援弁護士ら声明(朝日新聞)

基本的には殺人事件以外に死刑は適用されていません。ただし、殺人事件で無期懲役刑になりながら、仮釈放で出所した直後に再び殺人事件を犯した犯罪者もいます。再犯を防いで社会を守るという観点からは、犯罪者の命を絶つという方法が最も確実です。法治国家では復讐が認められていませんが、被害者家族の心情を無視していいとも思いません。

しかし、不適切な養育や様々な虐待が凶悪事件に繋がるという事実は、社会で共有されてきていると感じます。どんな凶悪犯もこの世に生を受けた瞬間は、無垢であったはずです。私は、乳幼児期から少年期の子供が、虐待によってどのような無意識を植え付けられるのか理解できるようになりました。そして、その理解が進むに連れて、死刑制度は間違っているのではないかと考えるようになりました。ほぼ全ての死刑囚は被虐待児だったはずです。

仮釈放のない終身刑が導入されれば社会防衛は果たせます。終身刑の方が残酷だという意見がありますが、犯罪者は一生かけて自分と向きあうべきです。その過程にこそ服役の意味があり、懺悔の先には自分を含めた命の大切さに気付く瞬間が訪れるかもしれません。心的外傷の社会的な啓蒙によって少しでも事件を減らし、遺族の被害感情を癒すこともできるでしょう。

相模原殺傷事件の植松聖容疑者は、「家庭内での生活や社会活動が極めて困難な重複障害者」という理由で、津久井やまゆり園での殺傷を実行しました。私達は「更生が極めて困難な犯罪者」という理由で、植松聖容疑者に死刑判決を下すことになるのでしょうか。だとすれば、それは植松聖容疑者の思想が正当であると認めることに他なりません。

 
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2016-10-07 : 機能不全社会 : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

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