性的虐待・近親姦の基礎知識-16/症状

1981年に出版された「Father-Daughter Incest」は2000年になって「Father-Daughter Incest: With a New Afterword」として再出版され、「父-娘 近親姦『家族』の闇を照らす」という題名で日本でも出版されました。そのため、その20年間に蓄積された近親姦の研究について「あれからの二十年」として、文章が追加されています。

父から娘への性的暴力は常道からの逸脱ではなく、ありふれた家長権の乱用であり、DVなどと同様に女性を男性に屈服させる手段だと確かめられました。近親姦は貧困家庭だけではなく、中流の裕福な家庭でも同じように起こり、民族による発生率の差もほとんどないと判明しています。そして、精神科の治療を受けに来る患者の中で、重篤な症例は子ども時代のトラウマ(心的外傷)に起因しているとわかってきました。特に、下記の文章は私が経験として学んだことと一致します。

「近親姦被害者は、成人後にさまざまな精神障害を患う危険性も高く、最も一般的なのはうつ病、不安障害、摂食障害、物質乱用(substance abuse)である。自殺や自傷行為(創傷、火傷、切断)を試みる患者の生活史にも、ほかの形の虐待とならんで近親姦がよく見られる。また、急速な気分の変化や不安定で激しい対人関係様式のせいで、『付き合いにくい人』といわれたり『境界性人格障害』と診断されたりする患者(ほとんどが女性)には、特に近親姦の既往が共通している。さらに、近親姦は解離性障害といわれる、不可思議で厄介な病態の原因にも強く関与している」。

また、当初は予期しなかった事柄として、発達途上の子どもの心と身体に近親姦が深い影響を及ぼしていることをあげています。さらには、成人後の身体的健康にまで影響するとは考えていなかったが、被害者は頻繁に内科を受診し、副腎髄質ホルモンや甲状腺ホルモン、性ホルモンなどを調節する中枢神経系の異常が見られるということも判明しています。

 
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2016-09-05 : 情緒的虐待/身体的虐待/性的虐待 : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

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