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性的虐待・近親姦の基礎知識-14/信頼

ジュディス・ハーマン氏は、性的虐待・近親姦被害者の治療において、治療者と患者が良好な治療同盟を築くように求めています。治療者は、近親姦体験に起因する恥の意識や絶望感、裏切られる恐怖などを理解し、決して患者を責めたり侮ったりしないという態度をとらなければなりません。そして、心理療法によって問題を解決できると患者に伝え、患者が感情を放出するのを許し、患者の罪悪感を取り除くように働きかける必要があります。つまり、極めて扱いにくい近親姦被害者と向き合い、真の信頼関係を結べれば、自ずと回復に導くことができるのです。

そうすると、患者は出来事を客観的に見られるようになり、様々な感情を分析できるようにもなり、自分を解き放てるようになります。セラピーやカウンセリングといった個別療法だけではなく、自助グループなどに参加する集団療法を併用できるようになります。自分と同じような体験を聴き、語り合うことで、恥辱感や罪悪感を解消していけるのです。犠牲者(victim)から生存者(survivor)となり、成功者(thriver)となる道筋が見えてきます。

実は、この「父-娘 近親姦『家族』の闇を照らす」では、具体的な治療方法については、それほど詳しく記述されていません。おそらく、ジュディス・ハーマン氏は近親姦を発見して、深く理解を進めている段階だったのでしょう。そのため、治療者と患者の関係や手順といった概念的な内容に留まっているように私は感じました。しかし、彼女はその後「Trauma and Recovery(心的外傷と回復)」を発表して、体系的な理論を打ち出し、より具体的な治療方法を提示しています。

 
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2016-08-31 : 情緒的虐待/身体的虐待/性的虐待 : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

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