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性的虐待・近親姦の基礎知識-12/無知

「父-娘 近親姦『家族』の闇を照らす」の第11章では、近親姦の被害者がどのように治療を受ければいいのか解説されています。まず、前提として、適切に対応できる治療者が少ない事実を示していますが、30年以上も前のアメリカと現在の日本では、それほど状況に違いはないだろうと私は推測しています。だから、被害者がドクターショッピングをするのは当然だと考えて、自分が信頼できる医師やセラピスト、カウンセラーを探しましょう。以下の文章にある通り、治療者は近親姦を扱う訓練を受けていない場合がほとんどです。

「しかし、残念ながら、このようなセラピストとの幸運な出会いに恵まれる近親姦被害者はあまりいない。近親姦被害者を援助する準備のできていないメンタルヘルスの専門家があまりにも多いからだ。これは単にセラピスト個人の問題ではない。それは制度上の問題なのである。セラピストが近親姦被害者を助ける能力に欠けるのは、彼らが近親姦の問題を扱う訓練を受けていないからだ。それどころか、彼らはその問題を避けるように訓練されている。精神分析学の伝統がメンタルヘルスの専門家たちの間にこの問題に対する否認と不信の雰囲気を創り出している。その結果、治療者養成機関の内部で、世代から世代へと無知が永続化されてきたのである」。

「この事例では、患者は当初セラピストが泣いてくれたことを喜んだ。それは共感と思いやりのしるしだと思ったからだ。しかし、セラピストが近親姦の影響を掘り下げるのを避けたとき、患者はあのときの涙は恐怖と弱さのしるしだったのだと結論づけた。患者のこの直観は基本的に正しい。近親姦の被害者は自分の話が他人に恐怖を抱かせることを知っている。だから、治療者の側の逃げ腰の態度にはきわめて敏感で、ほんのちょっとした言動からも相手の不快感を察知する」。

それでも、近親姦を主な原因とする心的外傷(トラウマ)について理解している治療者がいないわけではありません。現在は、インターネットによって多くの情報を比較的容易に入手できるようになっています。治療者の考えや専門性を把握して、自分に最適な治療者を見つけられるはずです。自分一人で昇華するのはかなり難しい感情や症状だとは思いますが、被害者はより多くの支援者と繋がり、やり場のない哀しみや怒りを分かち合ってもらいましょう。

 
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2016-08-26 : 情緒的虐待/身体的虐待/性的虐待 : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

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