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解離性同一性障害(多重人格)は無罪となるのか

連続昏睡強盗事件で声優のアイコ(神いっき)の精神鑑定を決定した石井裁判長は、神被告の精神障害の有無や程度、犯行への影響などを鑑定するよう鑑定人に求めています。一方で弁護側は、神被告には事件当時の記憶がないと主張して責任能力の有無を争っています。刑法第39条には以下の条文があり、心神喪失状態だと認定された場合には不起訴や無罪にしなければならないからです。

刑法第39条
心神喪失者の行為は、罰しない。
心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

最高裁判例によれば、「刑法上心神喪失者であるというのはその犯行の当時において行為の違法性を意識することができず又はこれに従って行為をするということができなかったような無能力者を指す」とのことです。重度の知的障害や重度の統合失調症のように、通常の思考ができないならば罰しようがないと判断しても不思議ではありません。ところが、解離性同一性障害(DID)とは、人格を形成する要素である意識、記憶、感情がバラバラに粉砕された状態です。各人格は違法性を認識できるし無能力者ではありません。けれども、主人格は他の人格の言動や感情を知りようがなく、制御もできないのです。

そもそも犯罪とは、ヒトという生物の個体に対して責任を求めるものでしょうか。あるいは、人格という社会的な存在に対して責任を求めるものでしょうか。個体と人格が1対1で繋がっている通常の人間ならば全く問題になりませんが、DIDのような存在では根本的な法理さえ慎重に考察する必要が出てきます。DIDを前提としてわかりやすく言えば、人格システム全体が犯罪の連帯責任を負うのか、特定の人格の責任を免除して人格システムは無罪とするのかということです。

 
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2015-09-12 : 解離性同一性障害/解離性同一症/多重人格(DID) : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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