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ドラマ「Dr.倫太郎」をご覧になった方へ-3

「Dr.倫太郎」では、DID以外の精神疾患も次から次へとネタにされていました。精神科医が主人公だからDIDに限定するわけにはいかないのでしょうが、つまみ食いの結果として、それぞれが不十分な描き方になったと思います。

その中に、境界性パーソナリティ障害(BPD)がありましたが、その患者はちょっと嫌がらせをしたり暴れたりしただけで、ただの困った人とされてしまいました。嫌がらせを描くなら、一過性の出来事ではなく執拗な攻撃を続けなければなりません。暴力性を描くなら、倫太郎をボコボコにするとか刃物を向けるとかのシーンが必要です。あれでは何が「障害」なのか、見ている人はチンプンカンプンだったのではないでしょうか。見捨てられ不安やスプリッティング、感情の激変などの特長は少しも表現されていません。BPDが言動で訴えている心的外傷について、制作者の理解が足りないのでしょう。BPDの日常は、理不尽で凄まじい出来事の連続です。

また、サヴァン症候群も自閉症とセットでネタにされていましたが、あまりにも欲張り過ぎでした。サヴァン症候群は「重度の精神・知能障害と、特定の分野における奇跡としか思えない知的能力が同居する状態」であり、元は「天才的白痴」です。日常生活は困難なはずで、あの子はただの自閉症にしか見えません。そもそも「レインマン」という名作があるのですから、敢えて取り上げなくても良かったですね。

それから、ドラマとは関係ないのですが、「解離性人格障害」という疾患名は存在しないのでご注意ください。社会臨床学会会員の肩書きを持つ方がブログで使っていたので、混乱する方もいるかもしれません。このブログの検索ワードでも何回か目にしています。人格障害(パーソナリティ障害)と解離性障害は、DSM(精神障害の診断と統計の手引き)では分類が異なります。

 
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2015-06-29 : 解離性同一性障害/解離性同一症/多重人格(DID) : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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