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ドラマ「Dr.倫太郎」をご覧になった方へ-2

「Dr.倫太郎」では、DIDが単なる多重人格として描かれていた点も、DIDを美化しているように感じられて不快でした。このブログでも度々言葉にしていますが、ジュディス・ハーマンによればDIDは極限状況の生存者の中でも最も重いC-PTSDの症状です。日々の生活は混乱しており、各人格は否定的な情動を受け持っている場合が多く、希死念虜を抱えていないDIDはいません。

摂食障害、自傷行為、自殺未遂、徘徊、暴力、万引き、薬物使用、売春などの症状は描かれていませんでした。解離後の猛烈な頭痛といった、DIDに最も共通している症状もありませんでした。あるいは、人を信頼できなくなり、自責感、自己嫌悪感、恥辱感、無力感、不安感、抑鬱感、孤立感を持っている様子も描かれていません。戸惑い程度があっただけです。制作者は、意識や記憶、感情がバラバラに粉砕された人間を少しも想像していないのです。

そして、子供の人格を登場させなかった理由もよく分かりません。大人の姿の子供が現れる状況は、DIDにおいて最も一般的な解離の類型です。私は、蒼井優さんなら見事に子供になりきれるだろうと期待していたのですが、そういったシーンはありませんでした。哀しみを引き受けた子供、怒りを引き受けた子供、他の人格に守られた傷付いていない子供。そうした子供たちによって、心的外傷を表現できたのではないかと残念に思っています。何よりも愛情飢餓の描き方が足りませんでした。

 
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2015-06-26 : 解離性同一性障害/解離性同一症/多重人格(DID) : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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