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ドラマ「Dr.倫太郎」をご覧になった方へ-1

先週まで日本テレビ系列で放送されていたドラマ「Dr.倫太郎」をご覧になっていた方は多いのではないかと思います。主演の堺雅人さんや蒼井優さんなど好きな俳優が出演していたので、私も初回から見ていました。初回を見た段階で、また解離性同一性障害(DID)ネタだろうと気付きましたが、作品を全て見ないうちに批評はできません。最終回まで見終わりましたので感想を述べますが、私は原作を読んでないので、あくまでもテレビドラマに関するものです。

実は、私の知見を理由として、鑑賞はあまり快いものではありませんでした。どんなドラマでもフィクションである以上、単純化や理想化はあるのだろうとは思いますが、「Dr.倫太郎」はあまりにも事実とかけ離れていたからです。特に、最終回は「どっひゃー」といった印象です。決定的に間違っているわけではなく、要所を押さえていると感じる面もあるのですが、あまり知識をお持ちではない方が誤解されないように私見を述べます。

まず、ドラマではいかにも問題を抱えているように見える母親(高畑淳子さん)が、DIDの原因であるかのごとく描かれています。泣いている乳児が放ったらかしにされているシーンがあり、少女期以降も情緒的な虐待を繰り返されていたシーンがありました。一方で、非婚である父親は一切出てきません。ドラマではDIDの原因について明確に示しているわけではないので、こうした養育環境は一因にすぎないと受け取ることも可能です。しかし、誤解にも繋がるでしょう。

私が接した信頼できるDIDの事例(国内10数例、全て女性)では、母親だけに育てられたDIDの方はいませんでした。ほとんどのDIDの方は、幼少期に近親者から性虐待を受けています。中には、3歳頃から家庭内の食事中などに父親から性器を弄ばれ、少女期から父親と二人の兄に強姦され、20歳を超えても強姦されていた事例があります。父親と兄に強姦されていた事例は他にもありました。テレビドラマでそんな現実を突きつける必要はないと思いますが、情緒的な虐待だけでDIDになった事例を私は知りません。

 
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2015-06-24 : 解離性同一性障害/解離性同一症/多重人格(DID) : コメント : 2 :
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Re: 見てはいませんが
かおりさん、初めまして。コメント有り難うございます。

DIDの方ですか。であれば、このドラマを見なくて良かったと思います。たぶん、嫌な思いをされるでしょうから。主人公の精神科医は、すぐにDIDだと診断してしまいましたので、もしかすると本当は「なりたがり(なりすまし)」に騙された話だったかもしれません(笑)。こういうドラマを見て、彼女達は憧れるのでしょうね。大袈裟というだけではなく、複雑性PTSDなのに、もの凄く単純に描かれていました。

性的虐待がDIDに必須の原因かどうかは、現時点では国際的な見解として不明なはずです。ただし、欧米の調査では60%〜90%という数値は出ています。一方、解離性障害のリーダー的な日本人の精神科医は、日本では性的虐待が少ないと国際学会で発表してしまいました。その人物は自身の著書でも同様の記述を行なっていますが、根拠は自分が担当しているDID患者に性的虐待の被害を訴える者がいないというものです。自分が患者から信頼されていないという事実にすら気付かない。それが日本の専門家の実態です。斉藤学氏はその精神科医を猛烈に批判していますが、社会はそんなことを知る由もありません。その医者に娘を連れて行っている「親」は大勢いるようです。その中には、なりたがりさんもいるでしょう。

父親や兄から被害を受けたと他人に明かせるようになるまでには、かなりの時間と葛藤を経ているはずです。その事実に気付いても、最初は自分で否認するでしょう。そもそも、子供の頃から人を信頼できなくなった者が、たかが精神科医ごときに打ち明けるはずがありません。しかも、すべての記憶を取り戻せないのがDIDですから、原因が不明にならざるを得ません。こうした事情が「必ずしも性虐待が原因ではない」と精神科医が主張する理由になっているのではないでしょうか。かおりさんは新たな一人になりましたが、私が知っているほとんどのDIDの方は性虐待を受けています。

確かに、本人の資質(直感像などの優れた脳)や、乳児期からの情緒的な虐待といった状況も原因だとは思います。しかし、それは間接的な要因であって、直接的な原因だとする根拠は見つけられません。私は、いくつもの状況が揃った場合にDIDになるのだろうと考えています。かおりさんの現状はわかりませんが、DIDは極限状況で生き残るための手段ですので、これから人生を回復できると信じています。
2015-06-26 23:31 : 清水賢一 URL : 編集
見てはいませんが
そのドラマ、見てはいませんがDIDの人が描かれていると聞き、ストーリーだけネットで見ました。
大変大袈裟で、まるでDIDのなりすましの人を描いているような印象を受けました。
私自身DIDと診断されていますが、性的虐待、暴力的虐待、精神的虐待を受けてきたことを徐々に思い出しました。
それらがなかったら、私はDIDにならなかっただろうと言われました。
DIDになりやすい性質の方がいることも事実のようですし、必ずしも性的虐待の事実がDIDに必要なわけではないとどこかで見ましたが、DIDのきっかけはその人にとって大変大きな事件であるのではないかと個人的には思っています。
2015-06-26 14:11 : かおり URL : 編集
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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