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神戸連続児童殺傷事件の加害少年生育歴-1

今回公表された神戸連続児童殺傷事件の決定全文には、加害少年の生育歴が一通り記載されています。私は当ブログを通じて、心的外傷は乳幼児期からの養育に原因があると常々述べていますが、この事件においても明確に立証されました。母乳で育てられた少年は、生後10ヵ月で離乳を強行され、母子一体の関係の時期が少年に最低限の満足を与えていなかった疑いがあると鑑定人は指摘しています。つまり、愛着障害です。

幼児期においても、幼稚園に行って恥をかくことのないよう、団体生活で必要な生活習慣や能力をきっちり身に付けさせようと、排尿、排便、食事、着替え、玩具の後片付け等を早め早めに厳しくしつけたそうです。人に迷惑をかけず、人に優しく、自分の意見をはっきり言い、親の言うことをよく聞き、親に逆らわず従順であることが両親の養育方針でした。一見、まともに見えるかもしれませんが、親として問題だらけの態度です。

なぜなら、わずかこれだけの情報でも、少年には受容と共感が与えられず、常に親が支配しようとしていたとわかるからです。「幼稚園に行って恥をかくことのないよう」とは、恥をかきたくないのは親なのに、その感情の責任を子供に転嫁している証拠です。「自分の意見をはっきり言うこと」と「親の言うことをよく聞き、親に逆らわず従順であること」は矛盾しているダブルメッセージです。少年の両親は理屈で物事を判断するだけで、感じる能力が著しく劣っているのではないかと私は思いました。母親の手記でも、自分達はきちんと子供を育てたと訴えていましたが、こうした自覚のなさが余計に子供を苦しめるのです。

   
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2015-04-27 : 機能不全社会 : コメント : 5 :
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Re: No title
例えば、女子高生コンクリート詰め殺人事件にしても、報道機関やノンフィクションライターが犯人達の生活状況などを調べて公開しましたが、やはり限界がありますよね。外部の者が乳幼児期まで辿るのはかなり難しいと思います。あの事件に関わった少年や家族がどのように機能不全だったのかわかれば、多くの教訓を得られるはずです。生育歴の公開を特殊な出来事にしてほしくはありませんが、難しいでしょうね。

少年Aは医療少年院で、女性精神科医などから育て直しを受けて退院したそうです。医療少年院では両親と面会したそうですが、仰る通り両親にもケアは必要ですね。佐世保の少女も育ち直りが必要ですが、十分な体制が組まれるよう望んで止みません。
2015-04-29 14:54 : 清水賢一 URL : 編集
No title
少年の生育履歴を公表したのは画期的なことなのですね。
でも、せっかく公表しても「特殊な出来事」としてすぐ風化しそうです…。
あと、少年の母親が自分の子育てのどこか間違っているのかわからないようですので、恐らく、母親自身も愛情に飢えた環境だったのでしょうね。
自分のしたことを間違いと認めるのはとても難しいです。
母親自身にも癒しが必要で、まずは、辛かったことなどに向き合わせるというケアを誰かがしてくれるといいのですが。
この少年はすでに32歳くらいだと思うのですが、まずは母親が変わらないと大人にはなれないままのような気がします。
大人になれなければ、悔い改める気持ちにもならないでしょうから、まずは母親(父親も…ですが)が癒されて元少年を育て直してあげて欲しいです。
2015-04-28 20:08 : そら URL : 編集
Re: No title
そらさん、こんにちは。

身体障害や知的障害のような先天的なものは存在するのでしょうが、事件の背景を探れば主因は明らかになりますね。公開した元判事は、この事件だけではなく少年事件全体を見渡して、無自覚な親の虐待を訴えたかったのだろうと思います。専門家には常識になりつつある乳幼児期の愛着の重要性は、一般的には認識が低いですし。また、少年の性的指向についてもC-PTSDとして解釈できると私は考えています。

今回公開された決定には二人の鑑定人が関わっているのですが、鑑定人の実名も公開してくれれば、出版物などで鑑定内容を理解しやすくなったかもしれません。離乳はあくまでも象徴にすぎず、一方的な押し付けを毎日繰り返された結果だったのでしょう。元判事は、少年法という建前が犯罪の抑止には繋がらないと感じていて、敢えて体制側に喧嘩を売ったという見方もできます。

P.S.
「お・っ・ぱ・い」が引っかかるのでは、赤ちゃん談義もできませんね。(笑)
2015-04-28 11:13 : 清水賢一 URL : 編集
No title
禁止ワードが含まれているとのことで、思い当たる漢字を平仮名にしてみたのですが、犯人は「お・っ・ぱ・い」でした。(・を除く)
わからなくはないですが、それはいいような…。(笑)
2015-04-27 21:45 : そら URL : 編集
No title
やはりそうだったのですね。
母親の手記か何かからは、どく親の印象を受けなかったので、先天的にああいう気質の人間が生まれることがあるのかもしれない、と思っていましたが、今日の記事を読んで納得しました。

心理学の世界では、幼少期に親が子供のことを思って甘いおやつを「これは食べてはダメよ」とあえて怖い顔をして叱った場合も、子供にはその瞬間の恐怖や不安が神経にインプットされて、のちの人間関係に影響する、ということが定説のようになっています。
(もちろん、どく親でない場合は、なぜか○○の時だけ心理的ブロックがかかる、という程度だと思いますが)
が、被害を受けた方の当事者ですら、それを理解するのに何年もかかってしまいました。
記憶に残っていないことが今の自分に影響しているということが非科学的に聞こえるのです。

その鑑定人は、まだ欲しがる子供に10ヶ月で無理に離乳したことが愛着障害に繋がったことを指摘されているとのことですが、どのような心理的な過程を経てのちの精神状態に影響するのかをわかりやすく説明してほしいなと思います。
鑑定人としては指摘するまでで、当の親を納得させる義務はないのかもしれませんが、それではあまり意味がありませんよね。
問題意識を持たせるために指摘するのでしょうから。

このことを母親になった人、これからなる人に、咀嚼して普及させていってほしいです。
でも、本人とその家族の更生のために行われる鑑定であって、犯ざいの抑止目的はまた別なのでしょうか。

どんな態度も子供の精神に影響するということが一般的になれば、毒親は変わり用がないかもしれませんが、よかれと思ってとか、何の気なしにの、事故的な傷付き体験は減ると思うので。
2015-04-27 21:40 : そら URL : 編集
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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