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PTSDの事例:後編

もしも私がスピードを出していたなら、自転車よりも先に交差点を通過して、事故は起きなかったでしょう。あるいは、狭い路地で引き返さずに、そのまま進んでいれば事故に遭わずに済んだはずです。可能な限りの予防措置を講じていたのに、結果として私は人を傷付けてしまいました。なんと理不尽な事故でしょうか。

実は、私はそれ以前にも何回か交通事故の経験がありますが、PTSDにはなっていません。バイクで大型トラックと正面衝突して、数分意識を失い、軽傷を負ったこともあります。けれども、その事故は自分に原因があり、左カーブで私が対向車線に膨らんでいました。それでも、バイクの運転にも大型トラックにも恐怖は感じませんし、左カーブにも不安を感じません。当然、安全を心掛けるようにはなりましたが。

つまり、心や脳が傷付いて、過剰な防衛反応を起こすようになるためには、自分には責任がないにもかかわらず一方的な暴力や事故に遭ったというような条件が必要なのでしょう。戦場から帰還した元兵士が、自動車を運転中に攻撃されないように、街中を猛スピードで走るといったPTSDの事例があります。あるいは、通り魔によって傷害事件の被害者となり、外出できなくなるといったPTSDの事例もあります。やり場のない、矛先を向けようがない憤りが昇華されずに残っているのだと思います。

交通事故を原因とする私の反応は、以前よりもかなり穏やかになったとはいえ、15年以上が経過した現在でも解消していません。軽度でもそれほどの時間を必要とするのです。もちろん、過剰反応を起こしている神経を特定して、抑える作用を働かせる薬なんてないのだから、薬で解決できるわけがありません。時間と語りによって、徐々に静めるしかないのでしょう。PTSDとは、そういう反応であり症状です。

 
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2014-12-15 : 解離性同一性障害/解離性同一症/多重人格(DID) : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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