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心的外傷(トラウマ)と心理学

オーストリアの精神分析学者で精神科医のジークムント・フロイト(1856‐1939)は、現在ならば境界性パーソナリティ障害に相当するであろうヒステリー患者の研究において、親から受けた近親姦を原因とする心的外傷によって症状が出ていると突き止めました。ところが、社会的な地位を守るためなのか、近親姦の被害を訴える女性の多さにひるんだのか、自説を撤回してねじ曲げてしまいます。それが「エディプスコンプレックス」です。

このおかしな説を教科書から学んだ通りに信じているカウンセラーがいまだに大勢いるようですが、晩年のフロイトは心的外傷理論に回帰しているそうです。「異性の親に対する性的な思慕と同性の親に対する敵意を子供が無意識に抱えている」なんていう理論は、どうやったら導けるのでしょう。私には少しも理解できません。

また、最近流行のアドラー心理学ではトラウマの存在自体を認めていません。だとすれば、解離性同一性障害(DID)をどうやって説明しているのでしょうか。長期に及ぶ性虐待によってトラウマ(心的外傷)が生じ、意識や記憶、感情が解離して複数の人格が作られ、その精神・身体的後遺症によって苦しむという現象が否定されているのでしょうか。同等の心的外傷を受けた人々が、なぜ世界中で同様の症状を呈しているのでしょうか。

心理学には様々な学説や派閥が存在するようですが、いくら理屈を捏ね回したところで、心に問題を抱えている人は置き去りにされるだけです。身体だろうと脳だろうと破壊的な行為を受ければ傷が付くのは当たり前で、傷付いた脳神経を具体的に見る方法がないだけです。心の叫びにもっと耳を傾けてはいかがでしょうか。

 
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2014-08-23 : 境界性パーソナリティ障害/境界性人格障害(BPD) : コメント : 2 :
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Re: タイトルなし
名無しさん、ご意見有り難うございます。

「本人が作った」というのは意識的に作ったということでしょうか。そんなわけはありませんよね。トラウマを意識して作れるなら、それはトラウマではありませんから。無意識的に作られているのに「作った」と解釈している点に無理があると私は考えています。羽交い締めにされて金属バットで殴られ、殴られた身体が骨折したら、それを「本人が作った」とは言いません。

心的外傷(トラウマ)は、脳神経を他者に傷付けられた状況です。解離などは防衛機制で、本人が無意識に行なった行為だとは捉えられても、トラウマそのものの責任は加害者にあるはずです。あるいは、PTSDは防御のための本人の反応として理解できますが、傷付けられたトラウマが治癒していない現れに過ぎません。だから、本人に責任を求める理論は間違っていると私は思います。


2015-10-16 09:02 : 清水賢一 URL : 編集
アドラー心理学ではトラウマは本人がある目的のために作った理由付けとありますよ
2015-10-15 19:25 : URL : 編集
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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