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境界性パーソナリティ障害と解離性同一性障害という分類

アメリカ精神医学会が発行する「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」では、境界性パーソナリティ障害(BPD:Borderline personality disorder)と解離性同一性障害(多重人格/解離性同一症/DID:Dissociative Identity Disorder)について別の診断基準が示されています。けれども、症状として現れる感情爆発や解離などの共通点は多く、私はパートナーと過ごした経験から両者は同一の病理であると考えています。

BPDとされる人は感情が高まって暴れたり、意識がもうろうとしてしまったり、その間の記憶をなくしてしまったりします。一方DIDとされる人は、そのような解離症状の背景に別の人格が存在します。人格が一つにまとまっていようがいまいが、それは表層的な違いにすぎません。根本的には自分の感情や意識を制御できない状況が問題なのです。そう考えていたところ、複雑性心的外傷後ストレス障害(C-PTSD:Complex Post-Traumatic Stress Disorder/複雑性PTSD)という概念に出会いました。

C-PTSDは、ジュディス・ハーマンというハーバード大学の精神科医が膨大な臨床例に基づいて導いた理論で、「心的外傷と回復」という本にまとめられ、現在ではDSMにも採用されています。PTSDは広く知られるようになりましたが、単発の危機的な出来事を原因として、特定の状況に脳と身体が反応する症状です。それに対して、C-PTSDは長期間継続した危機的な出来事を原因として、様々な状況に脳と身体が反応する症状です。私は軽度のPTSDとC-PTSDを自分で経験しているので、脳が勝手に反応して行動を制御できなくなるという理論について非常によく理解できました。

BPDにしてもDIDにしても、乳幼児期から少年期にかけて長期間被った深刻な心の傷に起因します。「心的外傷と回復」では、私の考えと同等の論理が示されていました。実際に、BPDとDIDに加えてC-PTSDという診断を受けている当事者も多く存在します。C-PTSDという概念に基づいて対処した方が、当事者の回復に寄与できるでしょう。問題を抱えている人を分類したところで何も解決できません。その人に応じた共感や受容こそが心の傷を癒せるのです。(ただし、情報を必要としている人に届けるために、このブログでは「BPD」と「DID」で分類しています。)

   
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2014-08-20 : 境界性パーソナリティ障害/境界性人格障害(BPD) : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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