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オウム真理教・豊田亨の生育歴

地下鉄サリン事件でサリンを撒いた実行犯の豊田亨死刑囚について、裁判では父親が証言しています。父親は高校の体育教師、祖父は校長まで務めた高校の生物教師、弟は哲学の教師、妹の夫も高校の教師だそうです。豊田は、その「教員一家」に生まれ育ち、東京大学理学部物理学科を卒業後に、素粒子理論を専攻して、東京大学大学院で修士課程も修了しています。スペックはエリートそのものです。

豊田は大学に入学した頃からオウム神仙の会に入会したようですが、父親は「気が弱く大人しい、正直で慎重な子だった」と語り、「放任主義で育てていたが、躾は母親に任せていた」と説明しています。この父親が語る放任主義とはどんなものでしょうか。本来、放任主義を成立させるためには、乳幼児期にたっぷりと愛情を注いで自尊心を養わなければなりません。私は、子供に無関心な父親と過保護過干渉の母親という毒親の典型だったのではないかと想像しますが、実態は確かめようもありません。

けれども、「気が弱く大人しい、正直で慎重な子」という見解は、父親の前では豊田が萎縮していた現れだったと思います。積極的に部活動の顧問やコーチとして活動する一方で、自分の子供に向き合わない教師は少なくないという実態もあります。また、教員一家の中で自分を認めてもらうためには、学業において誰よりも優秀な成績を収めることが暗に求められたのではないでしょうか。おそらく豊田は、自分の感情を抑え続けた反抗として、親から否定されるはずの詐欺集団に身を投じたのです。

2018年7月7日追記
ほらね、親の支配に対する報復だったんだよ。
「変な宗教に入るな」と育てられた、東大卒サリン実行犯(BEST TIMES)

 
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2015-03-30 : 機能不全社会 : コメント : 6 :

オウム真理教・井上嘉浩の生育歴

幹部信者であった井上嘉浩死刑囚は、幼少期から仏教との接点があり、高校生の頃にはオウム真理教と深く関わり始めます。大学入学という建前で上京後に教団内で出世していきますが、それとともに教団が犯したほぼ全ての凶悪事件に関わっていきます。以下は、彼の母親が著した手記ですが、母親は井上が2歳頃に自殺未遂しています。

息子の生い立ち

この手記を読む限り、井上は酷い虐待を受けていたわけではありませんし、母親は異常な感覚を持ち合わせているとも思えません。しかし一方で、支配的な父親と服従する母親の間に、絶え間なく諍いがあった状況が浮かび上がります。ということは、一見してわかるような問題はなかったかもしれませんが、子供が両親から守られ愛される家庭ではなかったのです。そして、それは井上自身の手記にも、はっきりと記されています。

「オウム死刑囚”井上嘉浩”の獄中手記」門田隆将(ノンフィクション作家)、『文藝春秋』2014年2月号(宇宙そのものであるモナド)

井上がユートピアにあこがれた理由のひとつは、幼稚園の頃の家庭不和だそうです。父親は家で暴れて、大声をあげ、卓袱台をひっくり返していました。そして、タバコも酒もギャンブルもしない父親だったために、彼は家でくつろげなかったようです。「父のような生き方をしても幸福はない」と思い、中学生の頃に理想の大人像が描けなかったとあります。

そこに麻原彰晃が現れたわけです。まだ、10代後半の若者にとって大人に見える人物が、自分の求める理想像を演じたのです。愛情飢餓の若者が何を欲しがっているのか、麻原は体験として熟知しているのですから簡単です。井上はイチコロだったでしょう。麻原に父性を求めて信仰を深めたつもりが、実際には父親と同じような支配的な男に、条件付きの愛情で絡めとられてしまいました。この構図は井上嘉浩だけではなく、カルト宗教に惹かれる多くの若者に共通している心理のはずです。

 
2015-03-27 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

オウム真理教・林郁夫の生育歴

幹部信者であった林郁夫受刑者は、慶応大学医学部卒のエリート心臓外科医でした。彼も多くの犯罪を犯していますが、無期懲役確定後に出版した自著の冒頭で、子供の頃の出来事を綴っています。その中に、開業医である父親が、小学校入学前の彼を殴り、柱に縛り付けて叱ったという話がありました。また、調剤室からお金を盗んだ彼を父親は無視したという話も出ていました。林は、そのエピソードを懐かしんでいるようで、腹を立てている風ではありません。むしろ、幸福な幼少期を過ごしていた自分に酔っているようであり、自分の親を庇っているようでもあります。

しかし、私には冷たい父親像が浮かんできました。親に叱られたとか叩かれたという思い出は多くの人が持っていると思いますが、真っ当な親が子供を殴ったり縛ったりするでしょうか。また、林少年は水飴か何かを買いたかったけど、その理由を言えなくてお金を盗んでいます。水飴のような駄菓子を親は認めないということでしょう。彼はそんな親に構って欲しかったのに、親は彼を無視したのです。要するに、言い聞かせようという姿勢や融通を利かせるという態度がなさそうで、とても窮屈な家庭だったのではないかと私は想像します。

だから、林は、自分の代わりに誰かを救おうとして、医師になり宗教活動にのめり込んだのでしょう。しかも、一緒に入信させた妻に暴力をふるったり、同僚の看護士と不倫関係になったりするとは煩悩の塊ではありませんか。大切なのは自分で、宗教を利用して正当化しようとした挙げ句に、最後は社会に向けて鬱憤を晴らしてしまいました。林が麻原に操作されていたという解釈は間違っていませんが、麻原に操作させたという自覚を林は持っているのでしょうか。無期懲役という温情判決を受けても、自分が犯した罪を林郁夫は理解していないと思えてなりません。

 
2015-03-25 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

オウム真理教・麻原彰晃の生育歴

こう言ってしまうと身も蓋もないのですが、オウム真理教の教祖と信者が起こした一連の事件は、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚が親に対して行なった復讐にすぎません。彼は右目が見えました。それは、逮捕されるまでの映像を見ていてもはっきりしています。普通学級に入学できたにもかかわらず、彼の両親は息子を寄宿舎付きの盲学校に入学させたのです。ウィキペディアなどに載っている生育歴全体は信憑性に疑いが残りますが、この事実だけを捉えても彼が親の愛情を得られなかったことは明白です。つまり、麻原は親に捨てられた被虐待児だったのです。

それは、同級生に対する支配欲の強さや教師に対する外面の良さにも見て取れます。愛情飢餓の現れです。親に捨てられた子供であっても、児童養護施設の職員や里親から愛情を得ていれば、健全な成長を遂げられます。しかし、盲学校の寄宿舎は、通学の困難性を理由として存在し、目が見えないことに対する能力面での指導が目的となります。ほとんどの生徒は親から十分に愛されているはずで、心理面での養育は重視されていないでしょう。

そういう意味では、彼は社会の落とし穴に嵌ったと言えるのかもしれません。捨てられた自分が何者であるのか確かめたいという根本的な欲求もあったはずです。こうした生育歴によって、麻原は信者に家族を捨てさせ、自分の妻子を条件付きの愛情と暴力で支配しました。そして、自分を大きく見せようとしているうちに幼稚な全能感を持つようになり、学歴コンプレックスを覆うために高学歴の信者を操ったのです。私は、麻原の犯罪を擁護するつもりは微塵もありませんが、こうした犯罪に繋がる仕組みとして社会は虐待を理解すべきであると考えています。

 
2015-03-23 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

オウム真理教と機能不全家族

今日で地下鉄サリン事件が起きてから20年が経過しました。私は、たまたま地方に出張していたために事件に巻き込まれずに済みましたが、地下鉄で都心の企業に通勤していたので、自分が被害に遭っていたかもしれません。「東京が大変なことになっている」という同僚の知らせでテレビをつけましたが、何がどうなっているのか事態を把握できません。それほど混乱した状況でした。

近年、地下鉄サリン事件ばかりに焦点が当てられますが、オウム真理教が起こした一連の事件では、信者へのリンチなども含めて29人が殺されています。おそらく、20代前半までの方々には歴史上の事件としか映らないのでしょう。けれども、50代の私には最近の出来事のように感じます。それに、機能不全家族や心的外傷に対する知識や経験を得た現在では、オウム真理教の麻原彰晃や信者がどのような心理を抱えていたのか良く理解できるようになりました。

彼ら彼女らは、一言で表わすならば「機能不全家族」と同等の集団です。「機能不全宗教」と呼ぶ方が適しているでしょうか。「教祖」は支配されたがる若者を集めて専制君主となり、信仰したり出家したりしたはずの若者は慣れ親しんだ環境に溺れたのです。操作、共依存、責任転嫁、権力志向、虐待など機能不全家族の特長は随所に見られます。

最近の報道によると、オウム真理教から改称した「アレフ(Aleph)」や分裂した「ひかりの輪」に入信する若者が増えているそうです。それは、機能不全家族が増えており、そこから逃げ出して機能不全宗教に鞍替えする若者も増えているという現れです。いわゆるカルト宗教は、親から虐げられた子供達の避難場所なのです。機能不全家族や毒親を根絶やしにしないかぎり、オウム真理教のような危険な集団はなくなりません。

   
2015-03-20 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

精神障害者に対する偏見

「生活保護リアル」などの著作があるフリーランス・ライター、みわよしこさんが連載しているコラム「おかしいことには『おかしい』と言おう」の中に、私の興味を惹く記事がありましたのでご紹介します。昨年7月の情報ですが、現在では反対運動は終結しているそうです。

「まともに働く」って?-ある精神障害者差別の論理(ヤフーニュース)

また、上記の記事を引用して、以下の指摘もなされています。私は「精神障害者」という括りが好きではないのですが、精神障害者として認定されている人は大勢います。車椅子に乗っていれば目立つでしょうが、何らかの傷害を抱えている人はもっと大勢いるわけで、私が障害者にならないという保証もありません。

グループホームが建つ前から、みんな精神障害者と一緒に暮らしてますよ(桑田 久嗣@リバ邸船橋サポーター)

私の勝手な推測にすぎませんが、この小児科院長の女性医師は機能不全家族に育ったのではないでしょうか。他者の痛みに対して共感したり受容したりする姿勢が感じられません。自分の守備範囲を利用して、地域を守るべきだと頭で決め付けています。と、ここまで書いたところで調べてみたら、以下の文章が見つかりました。個人を攻撃する意図はないのですが、機能不全家族の連鎖を考える上での事例としてリンクします。

院長からの一言 2014.10.21「私の親」(渡辺小児科)

なるほど、彼女は母親から承認を得られなかったので、来院する患者から署名という承認を得ようとしたのです。おそらく、同様の振る舞いはこれまでにもあったのでしょう。また、自分が心理的な外傷を負っているという自覚がないままに、無意識の反作用として精神障害者を毛嫌いしたとも受け取れます。哀しい連鎖です。

 
2015-03-18 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

執行猶予という相場

もう、ニュースにする価値もないのか、父親が娘を殺害した事件の判決はほとんど報じられませんでした。今回も裁判所は、精神疾患などを抱えている子供を親が殺しても良いとお墨付きを与えました。執行猶予という実質無罪が完全に相場になってしまったようです。このような殺人が許されるなら、殺人事件の被害者遺族が報復のために犯人を殺害しても、執行猶予にしなければならなくなります。

殺害の77歳に刑猶予の判決 アルコール依存症の娘 東京地裁立川支部(アピタル)

心にトラブルを抱えている者は、その原因が自分の幼少期の生育歴にあるとは知りません。自分の問題に向き合わざるを得なくなって、初めて過去を振り返れるようになり、不適切な養育を受けていたと気付かされるのです。そうやって回復できない場合には、無意識によって自分の人生を失敗させることで子供は親に報復します。それしか方法がないからです。

娘がアルコール依存症になった原因は何でしょうか。もしも、娘が父親から何らかの被害を受けていたとしたら、この父親がアルコール依存症を引き起こし、口封じを行なったことになります。娘を殺すような父親が、真っ当な養育を行なっていたのでしょうか。死人に口無しの裁判で、被害者の生育歴が検証されるとは思えません。裁判所の判断には甚だ疑問が生じます。

 
2015-03-16 : 機能不全家族 : コメント : 6 :

精神障害者が加害者であるという視点

このブログで取り上げた記事(殺人犯に執行猶予判決殺人犯に執行猶予の続報「娘との同居 私も命がけ」)を執筆している記者が、先日新たな記事を執筆していました。精神看護学の研究チームが、精神障害者の家族にアンケートをとったそうです。記事は、精神障害者の暴力に家族が疲弊していると今回も伝えています。記事の内容はその通りなのだと思いますが、精神疾患を取り上げる出発点がそもそも間違っていると私は感じました。精神障害者が加害者扱いです。

大半の精神疾患は、乳幼児期から少年期にかけての虐待に原因があります。重傷を負うような暴力がなければ社会には虐待が発覚しませんし、両親は無自覚に虐待しています。つまり、精神障害者は心的外傷の被害者であり、その加害者は両親であるにもかかわらず、青年期以降の家庭状況によって精神障害者が加害者扱いされるのです。しかし、身体能力が逆転したから両親が攻撃される側になっているだけで、被害と加害の実態は何も変わっていないはずです。両親の自覚のなさが暴力の原因にすぎません。

私はストーキングするつもりはないのですが、この記者は、私が知る限りにおいて3回も精神疾患に関する記事を執筆しています。ところが、一行どころか一言も精神障害者の発言を載せていません。精神障害者に個人的な恨みでもあるのかと疑いたくなります。朝日新聞のWebページから記者宛で上記のブログを伝えているのですが、本人には届いていないのでしょうか。ぜひとも、精神障害者が被害者であるという視点から、精神疾患に苦しんでいる人々やアダルトチルドレンの声を載せて欲しいですね。朝日新聞の記事を読めるように何回も掲載していますが、引用として認容して頂くようお願いいたします。

150309.jpg (朝日新聞2015年3月5日より引用)
2015-03-13 : 機能不全家族 : コメント : 0 :

希望を失っている子供

両親から無償の愛情を得て、幸福に過ごしている子供は大勢います。一方で、両親から条件付きの愛情を押し付けられ、自分の感情を抑えて生きている子供も少なくありません。親に恵まれた子供は将来に希望を感じられるでしょうが、親に虐げられた子供が希望を語れるとは思えません。親に否定された自分の人生を大切にしようなんて、これっぽっちも思っていないのですから。

虐待とは、親の人生を子供に背負わせる行為です。親が自分で解決すべき問題を子供に責任転嫁するために、殴ったり、蹴ったり、罵詈雑言を浴びせたり、強姦したりするのです。親から不幸のモデルケースを見せつけられている上に、自分の人生を生きていない子供が、その延長にあるはずの将来について描けるはずがありません。

希望を失っている子供がいたら手を差し伸べましょう。その子供が成人しているとしても。希望の芽を摘まれてしまった子供は、新しく種を蒔かなければなりません。種を蒔くためには肥えた土壌も必要です。色々な種類の多くの種を蒔けるように、周囲の者は手伝いましょう。その種から素晴らしい花が咲くように願って。
2015-03-11 : 機能不全家族 : コメント : 0 :

自由を奪われている子供

子供には自由にのびのびと育って欲しいと言う父親や母親がいます。けれども、多くの子供が自由にのびのびと育っているとは思えません。不自由で窮屈に育てられている子供が多いというのが、私の率直な印象です。子供達は、親が好むファッションを押し付けられ、スポーツで夢を語らされ、大学への進学が当然であるかのように洗脳され、親の意向に逆らわないように仕向けられています。

確かに、親が子供をある程度導く必要はあるでしょう。視野を広げられるように選択肢を与え、知力や体力を付けるために何かに取り組ませるべきです。でも、子供には、何の制約も与えられずに、気の向くままに過ごす時間も大切です。一人でぼーっとする空間にも意味があります。現代の子供は、親の勝手な理想に縛られ過ぎではないでしょうか。その結果、集団の同調圧力が強くなり、異質な子供は攻撃や排除の対象とされています。

本当に自由が尊重されているならば、子供はもっと多様な存在になり、それぞれの個性を認め合っているはずです。親自身が自由を奪われていたり履き違えていたりしていては、子供を適切に導けるはずがありません。まず、自分の親から自由になりましょう。そして、子供にもっと自由を与えて、人生の大海原を冒険させるべきです。

 
2015-03-09 : 機能不全家族 : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

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