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殺人事件と機能不全家族

また、長崎県佐世保市で痛ましい事件が起こりました。高校1年生が同級生を殺害して、死体を損壊する背景にはどのような心理があったのでしょうか。専門家と称する人々は、二人の関係について詮索したり、殺人や解剖に対する好奇心に言及したりしているようですが、問題の核心は別にあると私は考えています。

加害者の女子生徒は、小学生の頃に給食に薬物を混入したり、小動物を解剖したりしたようです。学校の成績が良く、国体に出るほど運動神経が良かった反面、感情の起伏が激しかったり、問題行動もあったりしたそうです。本当かどうかは不明ですが、家庭内で金属バットを振り回して暴れていたという報道もありました。まるで、境界性パーソナリティ障害のような状況です。

彼女の両親はその地域の名士であり、経済的にも余裕があったようです。父親の経歴を見れば、社会的な成功を収めていると誰もが思うでしょう。母親は昨年亡くなりましたが、それまでは社会活動などを積極的に行っていたようです。しかし、妻が亡くなって半年程度で父親は再婚しており、まだ高校1年生の娘は別居しています。

ということは、サインは小学生の頃に現れていたのであり、その時点で殺意の核となる何らかの出来事が起きていたと推定できます。にもかかわらず、両親は薬物混入事件が表沙汰にならないように動き、娘に向き合わなかったのではないでしょうか。加害者の女子生徒は、自分の感情を置き去りにされたまま機能不全家族で暮らし、居場所を失って追い詰められていたのでしょう。

今回の事件は、被害者に対する「見捨てられ不安」や「理想化とこき下ろし」のような心理が働いたかもしれません。けれども、その殺意の根底には、親への怒りと思慕があります。そして、娘がこれほど猟奇的な行動を起こした本当の理由を父親は知っているはずです。しつけが厳しい程度で異常な犯罪を犯すわけがありません。10年前の佐世保の事件でもうやむやにされてしまいましたが、なぜ加害者の家庭を徹底的に調べないのでしょうか。機能不全家族で何が起きているのか、そのサインを子供は発していたのに周囲の大人が見落としていたのです。

 
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2014-07-30 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

引きこもりと毒親

最近はテレビであまり見かけなくなった気がしますが、家に引きこもっている子供を共同生活する施設に連れて行き、生活習慣を身につけさせるといった矯正手法があります。過去には、戸塚ヨットスクールや長田寮のように事件となった事例もありますが、それなりに効果があった子供も多く存在するはずです。だから、その実績に親が飛びついて、子供を託しているのでしょう。

しかし、実際には親は「託している」のではありません。子供に責任転嫁した挙げ句に、他人に丸投げして事態を解決してもらおうとしているだけです。そうやって、子供に向き合ってこなかったから、引きこもりという状況に発展しているのに、こうした親は少しも原因を考えようとしません。まさしく本末転倒です。

私は、大半の引きこもりの対応は、最初からボタンを掛け違えていると考えています。介入すべき対象は両親であって子供ではありません。非行であろうと家庭内暴力であろうと、子供に現れているほとんどの問題は機能不全家族に起因します。つまり、毒親こそが引きこもりの原因であり、その原因に対処しない限り問題は解決できません。どんな親でも子供に十分な愛情を注ぎ、均質な養育を行なっているなどと考えるから、「子供の問題」にされてしまうのです。大きな間違いです。

ただし、原因である親から離れれば、それだけでも子供は改善できるし、そのまま家に戻らずに自分の人生を自分で生きるという選択肢も生まれるでしょう。けれども、こうした手法に最も欠けているのが無償の愛情です。愛情飢餓を誰かに補ってもらえないと、いつまでも共依存体質から抜けられません。親から離れると同時に、愛情のある支援者を探しましょう。
2014-07-29 : 機能不全家族 : コメント : 0 :

摂食障害と毒親

もう、30年位前になりますが、友人の恋人が摂食障害でした。当時は摂食障害という言葉自体にも馴染みがありませんでしたが、それ以前に、心のトラブルが過食や拒食、嘔吐などとして表面化するという認識が専門家と称する方々にも少なかったように思います。

彼女は、精神科医が書いた「患者のカルテに見た自分」という本を電車の中で読んでいて、突然号泣したそうです。そこに書かれている内容が、自分にぴったりと当てはまったからです。たまたま私も読んでいた本だったのですが、患者に見られる様々な要素は人として誰もが抱えており、自分にも近い状況はあるというような内容でした。それを実例に基づいて解説していたと記憶していますが、その中に母親が作った食事を嘔吐する娘の話がありました。

彼女は、ある程度余裕のある家庭に育ったお嬢様といった感じに見えましたが、内面では苦しい生活を送っていたのです。毎日用意される母親の食事を食べた後で、トイレに行って吐いていたそうです。ダイエットとかは無関係で、母親が作った食事以外は吐いたりしません。母親を受け入れられなくなった結果として、食事を受け付けなくなりました。父親もかなり支配的で、夜10時頃に友人が彼女を送った際に殴られたこともありました。

今なら十分に理解できますが、機能不全家族と毒親の典型です。二人は学生時代から社会人2年目位まで交際していましたが、やがて別れてしまいました。友人はアルバイトをしながら俳優をやっていたので、世間体を気にする毒親が妨害し続けたのかもしれません。その後、友人は別の女性と結婚して息子を二人授かりました。幸福な家庭を築いています。彼女の人生がどうなったのか知る由もありませんが、幸福に過ごしていると良いですね。毒親に育てられた子供達が、できるだけ早く機能不全家族に気付ける社会になるように願っています。

 
2014-07-26 : 機能不全家族 : コメント : 0 :

ストーカーと愛着障害

悲惨なストーカー事件が続いています。桶川ストーカー殺人事件によって、事態の深刻さ執拗さが明らかになり、警察も介入するようになりましたが、事件が減少する兆しはありません。被害者にも落ち度があるかのように世間は判断しがちですが、ある程度交際しなければ、相手がストーカーを行なうような人物なのかどうかはわかりません。それに、ストーカー本人にも、自分の行動を予測していなかった人が多いのではないでしょうか。

彼ら彼女らは、皆一様に「悪いのは自分ではない」と主張します。それは、無償の愛情を注がなければならない母親代わりを探しているからです。乳幼児期に与えられなかった愛情への渇望が、どこまで追いかけてでも帰って来てもらおうという無意識となって作用しているのです。殺人に至る要因は、自分を心理的に棄てた母親への殺意です。母親の姿が見えずに不安になって、猛烈に泣きじゃくる乳児を思い浮かべれば想像しやすいでしょう。

つまり、ストーカーの多くは愛着障害を抱えているのであり、その根本的な要因に対処しない限り、問題は解決できないだろうと私は考えています。母親と感情をキャッチボールしていたならば、自分の感情を押し付けるような行為はしないはずです。母親が負の感情を受け入れていれば、自分で感情を昇華する方法を身に付けたはずです。ストーカー事件を減らそうとするならば、早い段階で加害者の生育歴を丁寧に辿り、本当の原因を本人に理解させるべきです。

 
2014-07-24 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

責任が問われない父親

母親や母親の交際相手が、子供を虐待したと報道されることがあります。もちろん、虐待した加害者は刑罰を受けるべきですが、子供と別れた父親の責任が問われるケースは皆無です。傷害罪などの刑事責任を問えないとしても、状況によっては道義的な責任があるはずです。大半のマスコミはほとんど父親を批判しませんが、責任放棄を後押ししているのではないでしょうか。

彼らは十分な養育費を払っていましたか。一緒に暮らしていた頃は、子供に愛情を注いでいましたか。子供の世話や家事を引き受けていましたか。これは、虐待に限った話ではありません。中絶する母親が批判されますが、その子の父親は何をしているのでしょう。水商売や風俗業をしながら懸命に子供を育てている母親が批判されますが、その子の父親はどこにいるのでしょう。父親の責任を免除する理由なんてどこにもありません。

何らかの被害を受けた子供を主体として考えれば、刑事罰の構成要素なんて関係ないのです。父親の給料から国が強制的に養育費を回収する国があるそうですが、日本も早急に見習うべきです。もっと父親の責任を問わなければ、子供を棄てる父親が増える結果になってしまいます。

また一方で、子供の親権が母親に認められやすく、母親が父親に子供を会わせないという問題もあります。もしも、父親がきちんと養育していたならば、母親が親権を持たない方が良い場合もあるはずです。父親が子供を育てていれば、虐待が発生せずに済んだかもしれません。子供の養育は両親と社会の役割であると、誰もが認識しなければなりません。

 
2014-07-22 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

振り込め詐欺と過保護・過干渉

「振り込め詐欺」や「おれおれ詐欺」の被害が一向に減りません。「母さん助けて詐欺」などという、誰にも受け入れてもらえない名称を使ったから、さらに悪化したのでしょうか。報道を見ると被害者の大半は老人ですが、警察は彼ら彼女らの特性についてきちんと分析しているようには思えません。

おそらく、被害者は元々過保護な親で、子供や孫に過干渉したいという欲求を持っているのでしょう。その潜在意識につけ込まれているだけです。根底には寂しさを抱えており、誰かに構って欲しくてうずうずしていたはずです。そこに助けを求められたので、自分の支配力を証明しようとして、直情型に行動を起こしてしまいました。真っ当な親子関係があって、多少の想像力があれば、これほど単純な詐欺に引っかかるはずがありません。

こうした犯罪に手を染める連中は機能不全家族に育っているので、ターゲットの特性をよく理解しています。自分がどう振る舞えば獲物が食いついてくるのか、お金を用意させるためには、どうやって背中を押せばいいのか知り尽くしています。しかも、相手に対する罪悪感がないので、良心が傷まずに淡々と騙せます。機能不全家族で操作された子供世代が、親世代や祖父母世代を操作しているわけです。

過保護・過干渉、自己中心的、共依存関係の家族、決めつけやすい性格、自己責任を理解できない、自分の子供を批判対象としている、孤独感を抱えている、外面が良い。そんな人達が被害に遭いやすいのではないでしょうか。つまり、振り込め詐欺とは自律していない老人への報復です。もしかすると、騙されたと気付いても、世間体を考えて被害を届けていない人達が大勢いるかもしれません。

 
2014-07-21 : 機能不全社会 : コメント : 0 :

想像力に欠ける親

一般的な親は、子供が転んだだけでも「痛かったね」とその痛みに共感し、些細なことができるようになっただけでも「よかったね」と喜びを分かち合います。それは、子供の痛みや喜びを想像しながら、親がコミュニケーションしているからです。毎日、こうした感情のキャッチボールを繰り返すと、子供は自分が大切にされていると感じて、自尊心が育まれます。

一方で、子供に虐待を繰り返す親の多くは、自分の言動が子供を傷付けているという自覚がありません。それは、常に自己中心的に生きている上に、一方通行のコミュニケーションしか知らないからです。彼ら彼女らは機能不全家族に育ったために、感覚で判断する習慣がありません。共依存関係の中で親の都合に合わせて生きてきたので、責任を放棄する習慣が抜けません。しかも、とても視野が狭かったり決めつけたりするので、何事も熟慮できないばかりか反省さえできません。要するに、想像力に欠けるのです。

この想像力の欠如は、子供に連鎖すると致命的な結果をもたらします。極端な場合は、通り魔殺人やストーカーといった感情爆発を起こしたり、嗜癖や引きこもりのように人生を放棄したりしてしまいます。想像力に欠ける親の影響を受けた人達は、自分の感覚通りに生きられずに、不安や緊張を抱えているのでしょう。まずは、想像してみましょう。自分はどうあるべきなのか。

 
2014-07-19 : 機能不全家族 : コメント : 0 :

ダブルバインド

対人関係におけるメッセージの伝え方には、ダブルバインドという概念もあります。二重に拘束するという意味で、ある行為を禁止しておきながら、その命令に従って行動すると、その行動も否定されるという仕組みです。しかも、逃避すると罰するとまで定義されており、条件付きの愛情と操作の根幹を成しています。

例えば、親が子供に「〜しなさい」と言ったとします。子供がその考えを尊重して自分なりに実行すると、親は「なぜ、言われた通りにしないんだ!?」と怒りだします。ところが、子供が親に言われた通りにすると、今度は「なぜ、工夫しないんだ?」と親は怒りだし、子供の主張を聴こうともしません。どのような行動をとっても子供は失敗するのですが、親は自分の支配欲を満たすために無意識で子供を操作しています。最初から、振り回すことが目的であって、実際の結果なんてどうでもいいのです。こんな擦り込みを親から受けたら、子供は防ぎようがありません。

「ダブルメッセージ」や「ダブルバインド」は機能不全家族を構築する必須要素で、親を恐れて「いい子」を演じるようになる根本的な要因です。しかも、何をしても「お前はダメだ、間違っている」と否定されるので、子供は気力を削がれてしまいます。だから、自分が成功しそうになると誰かに壊されるのではないかと不安になり、自ら破壊したり投げ出したりしてしまいます。毒親は、子供に対して絶対やってはいけないコミュニケーションを駆使して、独善的な支配を続けるのです。

肯定的なダブルバインドを回復に利用するという手法もあるようですが、はたして効果があるのでしょうか。信頼関係は、お互いを尊重した本音のやり取りで構築されると思います。コミュニケーションを根本的に見直さない限り、アダルトチルドレンの対人関係は良くならないでしょう。

 
2014-07-18 : 機能不全家族 : コメント : 0 :

ダブルメッセージ

言語によるメッセージと非言語によるメッセージが矛盾するコミュニケーションを「ダブルメッセージ」と呼びます。例えば、親が子供に「好きにしなさい」と言葉で自由を与えておきながら、子供が親の意に反する行為を行なうと、親が顔をしかめるような場合です。最初から好きにさせる気なんてないくせに、良い親ぶるために言葉では「好きにしなさい」と言うのです。

どんな親でも、危険を避けるためなどで矛盾する態度になってしまう場合はあるでしょう。しかし、ダブルメッセージを日常的に繰り返されたら、子供の思考はどうなるでしょうか。右を向けと言われて右を向いたのに、そのメッセージを発した親が気分を損ねたら、子供は本当の望みがわからなくなります。混乱した子供は人を信頼できなくなります。自分の本心を出せなくなる上に、相手が本心を出しているのかどうか疑い続けなければなりません。

こうした親は、本心を伝えなかった自分が負うべき責任を、本心を汲み取らなかった子供に押し付けています。巧妙な責任転嫁です。本音のキャッチボールができないばかりか、相手が自分の要求を汲んでくれるのが当たり前だと思っています。つまり、ダブルメッセージとは、支配者が自分への忠誠心を試す踏み絵であり、子供を操作するために欠かせない手法なのです。もう、自由になりましょう。あなたの心が乱れるのは、親の反応を気にしているからではありませんか。
2014-07-17 : 機能不全家族 : コメント : 0 :

外面が良い親

機能不全家族には、明らかに問題を抱えている家族に見える場合と、何の問題もない理想的な家族に見える場合の二種類があります。例えば、働きもせずに昼間から飲んだくれて、家族に暴力を振るったり、近所迷惑な行為を繰り返したりする毒親は前者を形成します。一方、社会的に評価される職業に就いて、家庭の外では一切問題行動を起こさない毒親は後者を形成します。

どちらの場合も、家族を支配して自己満足に浸る毒親であり、基本的な仕組みには差がありません。むしろ前者の機能不全家族は、子供にも外の視線が注がれるので、周囲の助けを借り易いでしょう。しかし、後者の機能不全家族は、家庭の外からは実態が一切掴めないので、子供は助けを得られずに追い詰められてしまいます。

特に、後者の毒親は、家族の仲が良いと周囲に思われたくて仕方がありません。自分の評価を得るためなら何だってします。子供を道具にしてでも、自分の理想を描こうとするのです。全ての基準は自分の価値観であり、勝手な都合です。外面を良くして世間に気に入られ、家庭では妻や子供を支配します。そうやって支配されたから、真由美は高機能型の境界性パーソナリティ障害(BPD:Borderline Personality Disorder)になったのでしょう。周囲の誰でも振り回そうとするBPDと異なり、高機能型のBPDは特定のターゲットだけを振り回そうとします。

真由美の両親は、娘の自己実現を理不尽な理由で妨害していました。ところが、周囲が彼女を評価し始めた途端に、理想の家族像を演出する道具として利用するようになりました。本当に腹黒い毒親ですが、両親は少しも自覚していません。毒親が「どうせ自分はろくでもない人間だ」と開き直っていれば、子供は親を棄て易いでしょう。けれども、「私は素晴らしい親だ」と信じている毒親に虐待の事実を認めさせるのは困難で、余計に子供は苦悩するのかもしれません。親への思慕は諦めるしかありません。さっさと見捨てましょう。

 
2014-07-15 : 機能不全家族 : コメント : 0 :
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プロフィール

清水賢一

Author:清水賢一
境界性パーソナリティ障害・解離性同一性障害であるパートナーとの約7年間の生活を「ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録」として出版しました。私が彼女の心のトラブルに気付き、その原因が次第に明らかになり、 彼女が事態を受け入れていく実話です。様々な出来事がありましたが、現在では安定した状況となり、毎日問題なく過ごせています。私の経験を元に、機能不全家族の連鎖を絶って被害者が回復できるように提言します。

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 前編

ちゅーしても、いいよ 親の支配から生還した真由美の記録 後編

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